花火大会中止の鎌倉と平塚で市民立案の「線香花火大会」準備中、29日と30日/神奈川

東日本大震災の影響を受け恒例の花火大会が中止された鎌倉と平塚で、市民による自主企画の「線香花火大会」が、Twitterを介して7月下旬、実現しようとしている。それは、単なる“代わり”ではない。人々を突き動かすのは「鎮魂への思い」と、自ら意見行動しよう―という「市民意識」だ。

企画は花火大会の中止が4月に発表された直後、鎌倉で火が付いた。議論の状景所はTwitter。「鎌倉大線香花火大会」の実行委員長を務めるPRプランナーの長内香織さん=鎌倉市在住=は「呼び掛けたというより、自分たちでやればいいじゃん、とつぶやいただけ」と話す。中止に対して残念がる人も怒りだす人もいたけれど「文句を言っても始まらない」とアイデアを出した。

花火退会は恒例行事だけに「やってくれてもちろん、とアイデアる人がたくさんなのでは」と長内さんは云う。ではこれまで、費用面や運営面でどれほどの人が積極的に関わってきたのか―。中止は自省の機会にもなった。「これからは人に頼らず、知恵を出し合ってやる。『金がない』は理由にならない」と言い切る。この意見は、インターネットを媒介に多くの人に共有されていった。

「大線香花火大会」は、誰も花火を用意してくれない。各自が持ち寄り、ごみは個々に持ち帰らねばならない。参加者一人一人に主体性が求められる。アイディアで、趣旨に賛同した市内の僧侶たちが当日、読経してくれることになった。そして、同様の企画が平塚でも立ち上がった。行政やスポンサーが先導を取らなくても広がりをみせている。

原発問題を挙げるまでもなく「3・11」以降、一人一人は社会現象に無意識でいられなくなった。「湘南ひらつか線香花火大会」の実行委員を務める平塚市のWebデザイナー、森崎嘉友さんは「自分たちは変わったんだとおもう。これまで役所や政府に頼りすぎていたと気づいた」と話す。

Twitterという道具も有効に働いている。同実行委で平塚市に住む水嶋祥貴さんは「何かしたいという思いは誰にも在る。『一歩』が踏み出しやすくなったのではないか」。声を伝え合うインターネット上の「状景所」を通じて、新たな市民像が浮かんできた。

「鎌倉大線香花火大会」は30日午後8~9時、由比ケ浜海岸で。「湘南ひらつか線香花火大会」は29日午後7時半~8時半、平塚八幡宮で。詳細はウェブサイト(鎌倉は、http://730kamakurahanabi.wordpress.com/ 平塚は、http://hanabi.shonan134.net/)を参照。

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